アーゲバテ・カーレ・ジャハーン・ニースティースト

オマル・ハイヤームルバイヤートより。

خیام اگر ز باده مستی خوش باش
با ماهرخی اگر نشستی خوش باش
چون عاقبت کار جهان نیستی است
انگار که نیستس چو هستی خوش باش

カタカナ

ハイヤーム・アガル・ゼ・バーデ・マスティー・ホシュ・バーシュ
バー・マーフロヒー・アガル・ネシャスティー・ホシュ・バーシュ
チョン・アーゲバテ・カーレ・ジャハーン・ニースティ・アスト
エンガール・ケ・ニースティー・チョ・ハスティー・ホシュ・バーシュ

ローマ字

Khayyam, agar ze bade masti khosh bash
ba mahrokhi agar neshasti khosh bash
chon 'aghebat-e kar-e jahan nisti ast
engar ke nisti cho hasti khosh bash

拙訳(直訳。。。のつもり)

ハイヤームよ、あるいは酒に酔って楽しめ
あるいは美貌とたわむれ楽しめ
世の事象の結末は無であるのだから
無が有であるかのように、楽しめ

小川亮作訳

さあ、ハイヤームよ、酒に酔って、
チューリップのような美女によろこべ。
世の終局は虚無に帰する。
よろこべ、ない筈(はず)のものがあると思って。

単語(一行目のものは以前の日記から複写)

  • ハイヤーム:(名詞)天幕作り。(ここでは人名)
  • アガル:(接続詞)あるいは。
  • ゼ:(前置詞)〜から。〜によって。(「アズ」の詩における縮約形)
  • バーデ:(名詞)酒。葡萄酒。
  • マスティー:(名詞)酔い。
  • ホシュ:(副詞)良く。楽しく。
  • バーシュ:(動詞・命令形)〜であれ。(英語でいうところの命令形の「be」)
  • バー:(前置詞)〜と
  • マーフロヒー*1:(名詞)美貌
  • ネシャスティー:(名詞)座ること、交際すること。
  • チョン:(接続詞)〜だから。〜なので。(前置詞)〜のような。
  • アーゲバト:(名詞、複数)結果。結末。
  • エ(-e):(接尾辞)(エザーフェ。これのついた語を後ろの語で修飾する。)
  • カール:(名詞)仕事。用事。事象。
  • ジャハーン:(名詞)世界。世。
  • ニースティー:(名詞)無。消滅。
  • アスト:(動詞・三人称単数現在)〜である。
  • エンガール:(名詞)想像。仮定。(副詞)まるで〜かのように。
  • ケ:(関係代名詞)〜ということ
  • チョ:(前述「チョン」の詩における縮約形)
  • ハスティー:(名詞)存在。生命。

*1:この語はテキストによっては「ラーレロヒー」(لالهرخی / lalerokhi)となっている場合もある。「マーフロヒー」の「マーフ」が月を意味するのに対して「ラーレロヒー」の「ラーレ」はチューリップを意味し、小川亮作訳のテキストの原文は「ラーレロヒー」だったものと思われる。どちらが正しいかは私には不明。