トロリーバス

ロシアから帰還して以来、トロリーバスのことで頭がいっぱいです。「ぜひ東広島にトロリーバスを!」とか思っています。

「東広島にトロリーバス」(具体的には西条駅広島大学間)というのは、ロシアを契機に思いついたものですが、下地自体はそれ以前からありました。元々かなり以前から「西条駅広島大学間に路面電車があったら面白そう」と建設費等を無視して考えてたのですが、その後どこかで「広大移転当初は、西条駅広島大学東広島駅にモノレールを建設する予定であった」という噂を聞き、「モノレール作るくらいなら路面電車作ったほうが(金銭的に)よっぽどええじゃん!」と友人(非鉄系)と話し合ったりしていました。西条駅広島大学間にバスに代わる何らかの交通機関が欲しいというのは、前々からの望みでした。しかし、思いついた中で一番安価な路面電車でも、実際作ろうとすると橋の掛け替えとか道路の下の共同溝の移転とかいろいろ必要で(モノレールとかほどではないにせよ)けっこう高くつくらしく、財政面で建設は非常に困難(投資額に見合うほどのプラスの高価も無い)なように思われました。

しかし、世の中には路面電車とバスのほかにトロリーバスというものもあり、日本でも過去に走ってたし現在も(特殊な用途ではあるが)走っている、ということをロシア帰還後思いだしました。ロシアではトロリーバスはばりばりの現役で新型車両も投入されており、私自身も何度か乗って通常のバスと比べて遜色ないという印象を受けました。トロリーバスは、車両&車庫と電源(変圧所とか)を確保すれば後は空中に架線をひくだけなので、路面電車の軌道を敷く時のような諸問題は発生しません。トロリーバスの建設費は昔の日本で路面電車の三分の一くらいだったらしいですが、地中にいろいろ埋まっている現在の日本では、路面電車に比べ相対的により安い値段で建設可能かもです。具体的な建設費は、路面電車がキロあたり15〜30億円かかるらしいので、仮に路面電車の三分の一かかるとすると、トロリーバスはキロあたり5〜10億円ということになります。

費用はさておき、トロリーバスの利点ですが、トロリーバスは通常のバスと比べ燃費がよく、環境への負荷が少ないものと思われます。例えばガソリン自動車と電気自動車の燃費を比べると、火力発電所の効率は自動車よりずっと良いので、送電中のロス等も含めたトータルでの電気自動車の燃費はガソリン自動車より三倍程度良い(50km/lくらい)らしいです。電気自動車には100km以上走れるような大きなバッテリーが必要で、バッテリーの重さが燃費にかなり不利に働いているようですが、トロリーバスは非常用に少し走れる分だけの容量のバッテリーがあれば十分なので、燃費に関しては通常の電気自動車よりも更に有利なものと思われます。また、内燃車は燃料がガソリンか軽油エタノール(日本ではまだほとんど使われてないっぽいが)か、とかなり限られているのに対し、電気はより広範な(より環境負荷の少ない)資源から得られるので、その面でも有利です。

乗客の視点からは、車内がエンジンバスより(特に停車時に)静か、バスが走り去った後の排ガスの熱気&息苦しさが無い、等が利点として挙げられると思います。排ガスを出さないことは沿線住民的にも望ましいことでしょう。

建設区間西条駅広島大学間とするのは、日本では長らく通常の交通機関としての使用が途絶えているトロリーバスを復活させるにあたり、この区間が本数が多すぎも少なすぎもせず、運行距離が長すぎも短すぎもせず、また通学路線なので一定の利用者も見込め、復活の手始めとするのにちょうど良いように思えるからです。西条駅前がロータリーになっており、広島大学は循環、全体を通して急なカーブが少ないというのも、急カーブや方向転換に弱いらしいトロリーバスにとって有利なものと思われます。また、ブールバールは車線も多いので、他の道よりも定刻運転も確保しやすいものと思われ、その面でも有利です。


具体的な計画ですが、路線は前述のとおりとして、電力はどうせなので太陽光発電でまかなうのが良いのではと思います。太陽光発電はコスト的には元を取るのに10〜20年あるいはそれ以上かかり、発電装置の耐久年数的にトントンなようですが、環境負荷のコストで見ると1〜2年程度で元が取れるようです。少しでも発電量を増やすために、バスの屋根にも太陽電池をつけて、走行時はもちろん、閑散時にバスが昼寝中の時でも発電できるようにしてはどうか、とも思っています。バスは夜中や冬場の早朝も走らせないといけないので、そういった時間帯の電力を確保するために発電所だけでなく蓄電所も必要でしょう。中型(50m四方くらい?)の建物を建て、建物の上のほうに水をためて必要な時に下の階に流して発電する、といった簡易揚水発電みたいなのがけっこういいかも、という気がしています。

電源系統をまとめてみると、

といった感じになります。


上記は完全に私の頭の中の妄想ですが、もし実際に西条にトロリーバスが走ってしかも成功し、日本各地から視察が来て他の地域でも採用され、西条が日本におけるトロリーバス復活の原点となったら素敵だと思いませんか? 私自身としても、上記計画をお隣広島市のバスの大幅なトロリーバス化の布石にしよう、と考えていたりします。