冥王星、惑星から外される?
以前、「太陽系に新たに3つの惑星加わる?」というタイトルの日記
http://d.hatena.ne.jp/reuni/20060817
を書き、その中で国際天文学連合のこの新定義について、肯定的意見も述べつつ第一印象として「『こうなってもいいのですか?』的発想に基づく、曖昧なままにしておきましょう派の陰謀」と書いたが*1、やはりセレスやカロンを追加することになる定義には異論噴出だったようで、「恒星の周囲を回る自分の重力で球形を保つ天体で、且つ恒星や衛星ではない」という定義に「その軌道で圧倒的に大きな天体」という定義をつけ加えて、冥王星を惑星から除外する案が有力なようである。
ま、非の打ちどころのない極めて適切な案でしょう。敢えて問題点を挙げるなら、あまりに自然な案なのでツッコミどころがなくてつまらない、といったところか(何
ところで、この冥王星を惑星から降格させる件について、ブログを検索するといろいろと面白い意見があったので、それについてコメントというかツッコミ。
- 太陽系から冥王星がなくなる!
- なくならん。天文学系な人間が惑星と呼ばずに別の名称で呼ぶようになるだけ。
- 「太陽系」と「太陽系の惑星」を混同しているものと思われ。或いは私が「『太陽系の惑星』という意味で『太陽系』という単語を使っている」ということを理解していないか。
- 冥王星は太陽の周りを回ってる。だから惑星だ!
- 理論展開に非常に大きな問題がある。
- 太陽の周りを回ってないのって一部の彗星だけだろ。
- 我々の常識はこうもたやすく覆される。
- 覚え直さないといけなくて大変!
- 覚える数が減って楽になる。
- 惑星に分類されなくなっても名前とどこにあるかくらいは覚えとけ。
- 冥王星の気持ちになって考えろ! 降格はかわいそう!
- 冥王星にはちゃんとした名前がついてるのに!
- 惑星でなくてもちゃんとした名前がついてる星は多い。
- さらば冥王星! 私はあなたのことを忘れない!
- いや、あんた以外にも忘れない人はたくさんいると思うぞ。だいたい「さらば」って何だよ。
- 冥王星は惑星だろうが惑星じゃなかろうが(地球人的に見て)EKBOを代表する天体であることに変わりはない。冥王星の全てを知りたいと思っている人にとって、惑星からの降格は、自分の冥王星にかける意気込みに対してはほとんど脅威ではないだろう。
- しかし、研究費が減らされる、研究室に来る学生が減るといった脅威はあるかもしれない。
- 但しそれがその他の科学全般に対する脅威に比べ、どの程度深刻かは不明な気がする。
- 恐らく一番被害を受けるのは冥王星で詐欺をやってる人だろう。カモ候補に占める引っかかる人の割合は変わらないだろうが、カモ候補は激減しそう。
- はっきり言ってどうでもいい。
- 正論である。しかし、冥王星自身は恐らくもっとどうでもいいと思っている。
以上の他にもいろいろと面白い意見があった気がするのだが、今ただちには思い出せないのでこのへんにしておく。
なお、根本的な問題として、惑星でなくなることはそもそも「降格」なのだろうか? 惑星より小惑星のほうが好きな人の中には、惑星でなくなることを「降格」とするのに不快感を覚える人もいるかもしれない。また、小惑星は惑星に比べて見つけにくいし、探査もしにくい*5。つまりある意味惑星より「レベルが高い」わけであり、今回の件についても「冥王星、惑星から昇格」と言えなくもないかもしれない。
いずれにせよ、地球とかいう星の人間とかいうナマモノがどう考えていようと、冥王星的にはどうでもいいことであろう。