ひさびさ日記
ひさびさに日記を書きます。最近あったことをちらほら。。。
viel billiard
先週、某ドイツ語の文章を(ドイツ語のできる方と共同で)訳していたところ、「身の回りにある粒子の質量は、電子の質量のviel billiard倍である」という文章が出てきた(語尾が違ってる気がして不安-_-;)。最初は「数千兆倍」と訳したが、明らかにおかしい。電子の質量はだいたい1000兆分の1の更に1兆分の1グラムくらいであり、数千兆倍しても一兆分の数グラム。別の言葉で言えば10億分の数ミリグラムであり、100万分の数マイクログラム。そんなに軽いのが「身近な粒子」のハズがない。ということで、別の訳を考えることにした。
まず、「billiard」を文字通り「1000兆」と捉えるのではなく、「すごくたくさん」という意味の文学的表現と考えられるのではないか、と考えた。しかし、文学的表現とは基本的に誇張表現である。実際には「10倍」のところを「1000兆倍」と言うのはそんなに不自然ではないが、実際には「1000兆の1兆倍」(少なめに見積もっても恐らくは1000兆の1億倍程度)であるところを「1000兆」と極めて控えめに見積もり、しかもそれが「すごくたくさん」というニュアンスであるというのは、明らかに変である。やはり「billiard」は文字どおり「1000兆」ということになった。
とすると、問題は「viel」にあることになる。「viel」の意味は「たくさん」である。この「たくさん」が、数個〜数十個くらいではなくもっとたくさん、具体的には数億〜1兆個くらいだと考えると、物理的に自然な文章になる。ということでこの解釈が良いのだろう。
以上のようにして、文章は無事に解釈することができた。問題はそれをどのようにして自然な日本語にするか、である。。。