巨大系外惑星発見
たまにはまともな内容の日記を書きます(汗
先ほどYahoo!ニュースを見ていると、読売新聞の記事として次のようなの発見しました。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070327-00000515-yom-soci
記事から読み取れることを要約すると、
- 27日、国立天文台と東京工大の研究チームが、牡牛座ε星のまわりを回る木星の8倍の質量を持つ惑星を発見したと発表。
- 或星は約595日で牡牛座ε星のまわりを回る。
- 岡山県にある岡山天体物理観測所の直径188センチの望遠鏡で牡牛座ε星を観測。
- 牡牛座ε星は地球から149光年離れており、質量は太陽の3倍、大きさは約14倍。
といった感じだと思われます。管理人は系外惑星は大好きらしいので、こういう記事を見ると心が踊らされます。
で、心が踊らされているのにこんなことをするのも難ですが、微妙にいちゃもんを。
まずは
太陽以外の恒星を回る惑星(系外惑星)は、これまで200個以上見つかっているが、その中でも最大級という。
ですが、難易度からいけば最大級のより最小級のほうがすごいのでは、と思います。大きい(というか重い)ほうが一般に見つけやすいし、それに小さいほうが生き物いる可能性高いし*1。門外漢の意見ですが、周期が約595日のを発見したというのは驚愕すべき執念な気がします。
次に
おうし座の星団にある巨星「イプシロン」を観測した。
について。無難なのかもしれませんが、なんか微妙にひっかかる言い回しです。夜空全体で「イプシロン」という星が一つだけある、といった印象を与えてしまうような感じで。
さて、どうでもいいですがここで問題です。以上の情報を元に、この系外惑星の平均公転半径がだいたいどのくらいかを答えなさい。なお、単位には天文単位*2を用いること。(難易度:恐らく初級)
(追加:以下に解答を書いておきました)
牡牛座ε星の質量をM'、惑星の公転周期をT'(〜595日)、牡牛座ε星から惑星までの平均公転半径をr'とします。
ここで、惑星の質量は、大きいとは言っても牡牛座ε星と比べれば無視できるので無視します。また、惑星の軌道は真円でも楕円でも平均公転半径と公転周期の関係は変わらないので、軌道が真円だとみなすことにします。
以上のように考えると、惑星の遠心力と惑星に働く重力は等しいので、適当に次元を整えてやることにより、
すなわち
の関係が成り立ちます。但し、ここでTの単位は年、r'の単位は天文単位とします。
さて、同様の関係を地球について考えてみると、地球の平均公転半径はr=1、公転周期はT=1となるので、太陽の質量をMとして
となります。あとは
- T'〜595/365
- M'〜3M=3
を最初の式に代入して解いてやれば、
- r〜2.0
という結果が得られます。すなわち、牡牛座ε星の巨大惑星の平均公転半径は2天文単位くらい、つまり、恒星から見て地球より倍離れたところを回っていということになります。太陽系で言えば、火星の平均公転半径が1.5天文単位くらいのようなので、地球から見て火星より倍くらい離れたところを回っていることになります。ちょうど小惑星帯のメインベルトが始まるあたりのようです。