ブログを書く時間が無い(涙
書きたいと思ってる時に限って書けないブログです(汗
時間が無いというのは、本当に無いというよりかは時間配分を間違っているということが、その主な原因です。
最近、昔の中国語、具体的には隋唐代の中古音の声調が気になっています。現在の中国語普通話には四つの声調があります。すなわち
- 一声(陰平):高く平ら
- 二声(陽平):尻上がりに高くなる
- 三声(上声):低くおさえ、最後に高くなる
- 四声(去声):高い音から一気に低くなる
の四つです。一方、昔(隋唐代)の中国語の声調がどうだったかというと、知っている人はご存知のとおり、
- 平声
- 上声
- 去声
- 入声
の四つです。ここで問題は、それぞれの声調の具体的なトーン(音の高さや上がり下がり)が分からない、ということです*1。入声については、中国語の一部方言や韓国語漢字音から、短くつまる音であっただろうということはほぼ確実でしょう。ただし一言で入声と言っても、現代中国語(の入声を残している方言)では入声には「つまる」ということ以外にトーンも重要なようです。つまり、入声もトーンの問題からは逃れらない……かもしれません。
平声については、近体詩で韻を踏む音であることから、恐らく平らな音であったのではないか、との予想があるようです*2。
上声と去声は、名称から推測して「上声は尻上がり、去声は尻下がり」という予測が立てられることが多いようです。しかし、声調の名前は「その声調の代表的な文字」をとっているだけ、という説もあるようです。一方で、入声は「入」という字がぴったりで、平声は詩韻からの推測で本当に平らだとすれば「平」という文字がやはりぴったりです。そのため、「上」「去」が実際のトーンの特徴を表している可能性も高いでしょう。しかし、仮にそうだったとしても、実際に示すトーンとして、「上声は尻上がり、去声は尻下がり」以外の可能性もあり得ます。例えば「上声は上のほうから始まり低くなるから上声で、去声は低音から高く去っていくので去声なのだ」ということもあり得ます。
声調の名称からではなく、現代語の声調から予測するとどうなるでしょうか? 普通話から推測すると、去声(四声)は尻下がり、上声(三声)は通常低く抑えるが連続する場合は尻上がりになる等、「上声は尻上がり、去声は尻下がり」説を補強しているように思えます。しかし、普通話(≒北京語。声調に関しては「=北京語」と考えて良さげ)以外の声調を考えると、問題は完全に混沌とした状況になるようです。
現代中国語の声調は方言によって非常に異なっているようで*3、最有力方言である官話方言(北京語を含む北部方言)の内部でさえ、例えば西安語の上声は尻下がり(高音から普通の高さまで下がる)で、去声は普通話の一声のように高く平らな音、といったように大きな違いがあるようです。中国語の方言の中では上声はむしろ尻下がりの場合が多いようで、中には「上声は尻上がり、去声は尻下がり」説と全く逆の「上声は尻下がり、去声は尻上がり」という方言もあるようです(やはり官話方言に含まれる成都語がそうのようです)。
長々と書きましたが、昔(隋唐代)の中国語の声調を求めるのは容易ではないようです。更に昔の上古音の声調を求めるのは更に困難で、そもそも声調が存在していたかどうかにも疑問の余地があるようです*4。
*1:以下、この記事は主に「音韻学入門 −中古音篇−」 http://www.for.aichi-pu.ac.jp/museum/pdf/oningaku.pdf を参考にしています。
*2:出典:ネット上のどこか
*3:以下、「漢語方音字彙」(語文出版社)参考。
*4:出典:ネット上のどこか