意図せずに酢飯を作りました

全ては一昨日の夜から始まった。

私はご飯をたくのには微妙にこだわりを持っているらしく、お米はネットで買った文化鍋でたいている。しかしやはりご飯をたくのには何かと時間がかかる(火をつけてから蒸らし終わるまで約1時間。といで置いておく時間を含めるともちろん更に長い)ので、数日分をいっぺんに炊いているのだが、その日木曜日の夜も、ご飯もあと2食分くらいしか残っていなかったので、あらかじめお米をといでおくことにした。翌金曜日の朝か、あるいはせいぜい翌日の夜にたくくらいの気持ちで。

しかし、いろいろな事情があって金曜日にご飯をたくことはできず、更に今日土曜日の朝もパンを食べたためご飯はたかず、結局ご飯をたいたのは今日の昼になってしまった。この時点で、何となく不安な気持ちはしていた。最近、特に日中は極度に暑く、夜遅くに大学から帰ってきても、台所に置いていたジャガイモがぽかぽかにあたたまっているくらいである。文化鍋は冬場なら「冷暗所」と言えそうな場所に置いておいたが、夏場はそこは「暗所」ではあっても全く「冷」ではなかった。文化鍋の蓋を開けると、そこにはプチプチと音を立てる泡があり、夏場冷蔵庫に入れずに置いておいたご飯に特有のすっぱい臭いを発していた。泡を湛えた鍋の中に手を入れると、ほとんどぬるま湯だった。

どうやらこの二晩(1.5昼?)の間に醗酵してきてしまったようだ。どうしようか迷ったが、お米を触った感じはそんなにやばくない気がしたので、「これは醗酵だ、腐敗ではない!」と信じて*1、そのまま炊くことにした。ご飯は「見た目」はまともな形に炊きあがっていたが、臭いはますます強烈になっている*2

このままでは臭いが気になってとてもまともに食えそうにない。ふと思い立って、お酢を取り出し、ご飯にかけて酢飯にすることにした。扇風機もうちわも無いので*3、なるべく空気に当たるようにかき混ぜはしたが、微妙にべちょべちょ気味の酢飯になってしまった。しかしべちょべちょ度はあくまで「微妙に」程度であり、肝心のすっぱい臭いもほとんど気にならなくなった。素晴らしいぞお酢!!!*4

かくして意図せずに作る羽目になってしまった酢飯だが、海苔にまいてお醤油につけて食べたり(手巻寿司と言う気にはなれない)、キムチと一緒に食べたり、特別美味しいとは言えないものの特に味の悪さを気にする必要はないくらいに食べることができた。一人暮しを始めてから今までに「ヤバい」ものを二回ほど作ってしまったことがあるが*5、それらと比べてもかなりマシだと言える。今のところお腹をこわしそうな気配もないし、やはり「腐敗」はしてなかったのだろう。しかし、まだ数食分残っていることを考えると、微妙に鬱な気分がしないでもない。



で、これが酢飯作成の現場です。火のついてるお鍋はお味噌汁を作ってるところ。ガスコンロはこの数時間前に掃除をしたので比較的きれいです。

*1:実際には「醗酵」は「腐敗」の一種で、人間にとって特に有益な「腐敗」のことを「醗酵」と言うらしい。となると人間にとって有益でない臭いを発する今回の現象はやはり「腐敗」か?! なお、醗酵が腐敗の一種だということは知っていたが、てっきりアルコールを作る腐敗のことを醗酵と言うのだと思っていた。でも確かに冷静に考えると、それじゃパンの醗酵はどうなんだってことになる。

*2:恐らく臭い分子(?)の熱運動が活発になり拡散しやすくなったからであり、臭い分子自体の量が増えたわけではあるまい。そうだ、きっとそうだ、そうだと信じよう。酸味臭の熱運動説は信仰であり、科学的に検証できるものではないのだ!!!

*3:あるのはクーラーだけ。これが文明というものか。。。

*4:なのに何で「すっぱい」を「酢っぱい」と言うんだ!? と思ったら、「酸っぽい」だったわけね。。。なお、私の漢字力のやばさは小学生時代からの伝統であり、全てをパソコンのせいにすることは残念ながら不可能です。。。

*5:単純に塩胡椒がなかっただけだとか、味醂やら醤油やらワインやらを入れすぎただけとかであり、今回のような「食って大丈夫なのか?」というのとは別物である。